試飲ができる、ゆっくり選べる、だから見つかる!
あなたにぴったりのお酒に出逢える、こだわりのお酒専門店「SAKEOH 酒逢」です。
(ただいま2013年秋のオープンに向け、全力で開店準備中!)

寒くなったり、夏みたいに汗ばんだり、今年は変な天気です。
みなさま体調を崩さぬようお過ごし下さい。

先日、宮崎の焼酎メーカー 富乃露酒造様と初めて商談をさせてもらった際、サンプルとして焼酎を頂きました。
酒屋って素晴らしいです、私の天職です。

富乃露酒造店 夏の吉兆五穀

夏の吉兆五穀

商品名:夏の吉兆五穀
容量:720ML
アルコール度数20度
価格:1130円

残念ながら、このお酒をSAKEOHで取り扱うかはまだ未定です。
取り扱いたいのですけど、夏酒ですのでそのころまで在庫があるかどうか…。 


サンプルを頂いた時には、
  • この目を引く青のボトルに親子亀の可愛らしいパッケージデザイン
  • そして営業の方がおっしゃっていた「宮崎焼酎文化伝統の20°焼酎なんです!」
というフレーズが頭に残っていたコトを覚えているのですが…

ですが…

大変失礼ながら、自宅に帰り、頂いた焼酎をちょびっとだけ味見し、
 
「すっきりして、面白い味だなぁ、20°だと飲みやすいんだなぁ」…、「さて仕事仕事」…

とスルーしてしまっておりました。

「宮崎伝統の20°焼酎」に関して知りもせず、調べもせず、しばらく我が家の焼酎置き場に放置してました。

突然のラム肉、うまそう、しかしワインは欠品中!どうしよう!

昨日、仕事を早く切り上げ、久しぶりに家族と一緒の夕食。
妻がいつものように「ごはんよ〜」というので、

食卓を見みてみたら
ラム肉
美味そうなラム肉発見!
ラム肉アップ
個人的にどストライクなお料理と、見た目のご馳走感に、

「今日は何かの記念日だったっけか?」

と一瞬ドキドキして妻の目を見れなかったコトを覚えています。

その後、恐る恐る妻に聞いたところ、何か気合を入れた訳ではなく、たまたまニュージー産のラム肉が安かったからとのコト。

「あー、今日か〜」とか

「まぁ、おめでとうだね」(ボソッと)とか

万一の時のための、アリバイ作り的な発言をジャブとして打っておこうかとも考えたんですが…

迂闊な誤魔化しをしなくてよかったです。 

しかし、ご馳走は嬉しいのですが、突然だったため、お酒が準備できてない。
ワインは切らしてるし、洋風なお酒は手元に無し。ビールは減量中だからNG!

そんな時に、頂いた焼酎をふと思い出したんです。(冨乃露様、大変失礼しました)

それでもビビッきたんです。

「多分合うな…」

「あのお酒のあの爽やかさと、ラムはばっちりだろ…」

「むしろワインより合うのでは?…」

そして、注いでみたのですが、これが、香りの段階から凄まじく合う!
お酒アップ
写真で香りが伝えられないのが残念です。

そして横において、見た目でも合う!
ラム肉 お酒と
もちろんラムをツマミに飲んでみても、めちゃくちゃ合いました!

一応本業ですので、美味しさを言葉で表現しますと…
  • ラムのちょっと鼻に抜ける独特の香りと、脂の感じが
  • 穀物焼酎の爽やかさと
  • 20°をロックで飲んだ、優しい口当たりが
  • お互いの凸凹を補いあうような形でマッチし、
  • とにかくとても美味しかったんです。(言葉で伝えるのは諦めました)
スイスイとボトル半分空いてしまいました。

これが「夏の吉兆五穀」として、夏の限定品なのが惜しまれるくらいです。

いっそのこと、「ラムと合う吉兆五穀」として年間定番にして欲しいくらいです。

いや、ホントにそれくらい美味しかったです。

「宮崎20°焼酎」の成り立ち

私は個人的には「芋焼酎」が大好きで、実際今までそれ以外はあまり手を出しません。
しかし、今回この「宮崎20°焼酎」の「優しい飲みやすさ」に感銘を受け、その文化と歴史的経緯について調べてみたところ、非常に面白かったので、下記に簡単にまとめてみます。
  • 20°焼酎の由来は昭和20年代の宮崎(終戦は昭和20年の8月)
  • 戦後の混乱期に「奄美」「沖縄」から宮崎に移住者が大挙
  • 村落の「ヨソモノ」として、生きてゆく術を模索、一部の人間がヤミ焼酎(芋中心)を製造販売
  • ヤミ焼酎の品質は悪くなかった為、安価なアルコールを求める県民に広まっていった
  • しかし国税局はその状況を看過せず、ガサ入れなどを行うもイタチごっこ
  • そこで国税局「宮崎県内に限り、20°焼酎の製造を許可する」と決定(それまでは焼酎は25°以上)
  • 度数が低ければ酒税も低い、正規蔵元の焼酎は、ヤミ焼酎と対抗できる価格へ
  • 消費者はヤミ焼酎よりも、安心で品質の良い、正規蔵元の焼酎を買うようになる
そして、もともと割らずに生で飲む文化の宮崎人にとっては、飲みやすい上に安く、定着していった。

非常に簡素にまとめてしまったので、味も素っ気もないです。ここが詳しいので興味がある方はどうぞ。

酒を扱うものとしての不勉強を反省…


宮崎の20°焼酎の歴史を調べ、歴史に思いを馳せていたら、先人達の生きるための戦い、紆余曲折、文化としての定着、その結果としての現在、というものを感じまして…

正規の蔵元にも、ヤミ焼酎を製造している側にも、きっと色々な人間ドラマがあったんだろうな…と。

20°焼酎を県内で許可する英断をした人はすごいなぁ…と。 

調べる前まで、もらったサンプルを放置し、

ラム肉を見て、やっと思い出して(富乃露さん、本当にすいません)

思いつきで合わせてみて、

その上で
 
「五穀焼酎とラム肉、やべぇうまいwww」とか、


「宮崎の20°焼酎、飲みやすいwww、スイスイ入るwww、自宅で酔っ払いwww」

などと、テンションだけ高くお酒を頂いていた自分がとてもアホに思えてなりません。

私はお酒を売る職業の人間として、このような文化的な部分も含めて、今後も情報発信をして行けたらいいなぁという決意を、深く胸に刻んでいる次第です。

今は残業中です。
今日の晩ご飯は何なのか、まだわかりませんが、今日も真面目にお酒を美味しく頂こうと思いますwwww

それでは