毎回大好評のプレミアム夜試飲会「SAKEOH PREMIUM」、5回目のゲストは福島の雄『国権酒造』さん。試飲会にご参加される方もされない方も、せっかくの機会ですので『国権酒造』について深く知ろう!という「予習テキスト」的な趣旨で、深〜く掘り下げてご紹介しようと思います!


その前に…
『「SAKEOH PREMIUM Vol.5 国権酒造』について詳しく教えて!』という方はこちらの告知記事をチェックして下さい。
そのもっと前に…
『プレミアム夜試飲会「SAKEOH PREMIUM」って何?』という方は下記のリンクをご参照下さい。:
1月開催「出羽桜酒造」告知 & 試飲会レポート
2月開催「泉橋酒造」告知 & 試飲会レポート
3月開催「京屋酒造」告知 & 試飲会レポート
4月開催 真野鶴醸造元「尾畑酒造」告知 & 試飲会レポート


国権酒造ってこんな酒蔵

SP4真野鶴kura in winter

基本データ:

  • 本社  :福島県南会津郡南会津町田島字上町甲4037
  • 創業  :明治10年(1877年)
  • 生産量 :800石/年(一升瓶8万本相当)
  • 代表銘柄:国権、てふ、一吉
  • 関連リンク:会社ホームページ

    福島県南会津郡

    国権酒造のある南会津地方は豊かな自然に囲まれた風光明媚なエリア。

    「老後はこんなところに住みたいなぁ…」などと呑気なことを考えながら、youtube検索を続けていたのですが… なんと冬は積雪が5メートルを超え、町が雪に消えてしまうほどの豪雪地帯なんです。

    老後過ごすのは温かい場所がいいです…。すいません、南会津ナメてました。

    それにしてもなんで酒蔵の名前が『国権』?

    蔵元の家名を冠してたり(山本合名会社、尾畑酒造)、代表銘柄のブランドネームを冠してたり(出羽桜酒造、泉橋酒造)するパターンが多いのですが、この『国権酒造』さんだけ、一種独特…と思って国権酒造公式ホームページを調べてみたところ、こんな経緯があったそうです。
    国権酒造は以前「細井醸造本舗」として『南光』、『亀の井』といった酒銘で酒を醸造しておりました。その細井家に辻説法をして歩いている僧侶が逗留し、現在の酒銘である『国権』という銘を付けたと伝えられております。僧侶の名前も時代も定かではありませんが、明治維新後の富国強兵政策や自由民権運動が盛んになってきている時代背景を元に、『国権』と名付けたのではないかと思われます。しかしながら現在ではその意味を、独立国としての国の権利と解釈し、理解している次第です。

    ん〜…、なんだかわかったようなわからないような…。まぁそういうことだそうです。

    国権酒造といえば…

    その1:幅広い味のバリエーション

    00263n-1800-rogo00263n-1800-rogo
    00263n-1800-rogo00263n-1800-rogo

    写真は当店で取り扱いのある国権銘柄。

    どれも本当に美味しいお酒です。味のタイプは千差万別、バラエティの幅はかなり広いように思います・

    その2:コストをかけた酒はもちろん、そうでない酒も『ちゃんと美味い』

    お世辞抜きで「国権の酒はどれを飲んでもハズレがない」と思えるのです。
    もちろんそれは、酒造りのセンス良いからであったり、軟水で仕込む「女酒」なので柔らかく旨く感じるからであったり、理由はいくらでも挙げられますが…

    この記事を書くために各方面を色々と調べて見つけた、蔵元が以前語ったエピソードの中に、興味深いお話があったので、以下紹介したいと思います。

    国権酒造蔵元 細井信浩氏のお気に入りのお酒は『群馬泉 山廃本醸造酒』

    あの国権酒造蔵元のお気に入りのお酒が他の蔵の「本醸造酒」?と思われた方も多いと思いますが、そうなんです。

    以下、日本醸造協会の「いい醸(かも)!」というサイトから引用です。

    ● 思い出の醸造物 or 好きな醸造物 or 最近はまっている醸造物などを 一品教えてください
    群馬泉 山廃本醸造酒

    ● その理由やその醸造物にまつわるエピソードをぜひ!

    私は、平井さんや車多さんと広島県にある国税庁醸造研究所の講習生での同期なのですが、当時の私はお酒のことは全くと言っていいほど解らず、同期の皆さんの熱心さにただ圧倒されておりました。その後、結局広島にいる間に3回ほど全国新酒鑑評会でじっくりと出品酒の大吟醸を勉強させていただきました。

    金賞に入る大吟醸はこんな感じなんだ、と漠然とではありますが自分なりにイメージをもったものでした。そんなとき、群馬泉の本醸造酒を飲む機会がありまして、いい酒と言えば出品酒のような酒という考えを木っ端みじんに吹っ飛ばしてくれました。美味しい。そして安い!2度ビックリでした。私の見識の無さをそして日本酒の懐の深さを教えてくれた1本です。ちなみに群馬泉の島岡君も広島でご一緒した時期がありました。

    そして広島から帰って、最初に手がけた一番思い入れがあるお酒が、決してハイスペックではないけれど、穏やかな味わいがクセになる…
    00263n-1800-rogo
    『純米生貯蔵酒 てふ』だというのも何かうなずける気がします。

    国権酒造のお酒が美味い、これだけの理由

    その1:造りにこだわっているから美味しい

    00263n-1800-rogo

    商品コンセプトごとに米の品種も、精米歩合も変える

    国権酒造で使用している酒米の生産地は、地元南会津はもちろん、兵庫県、富山県、新潟県、長野県、秋田県と幅広く、なんと平均精米歩合は55%
    地元である南会津では蔵人も栽培したり、会津盆地では全て契約栽培で行っている。

    全商品特定名称酒

    特定名称酒って何?と思った方はこちらをチェックして下さい。
    「全商品特定名称酒」、書くのは簡単なんですが、これはなかなか凄いことでして…、というのも、酒蔵はだいたい地場のファンに支えられていたりするケースが多く、全国的にかなり高いブランド性を持った銘柄でも、地元では普通酒を売っている…というのは珍しくないんです。普通酒=不味い酒というのは間違いで、普通酒でも美味しい普通酒もあるにはある。 長い酒蔵の歴史の中で、価格の方に軸足をおいて購入してくれるファンは一定量いるもの。

    そんな中で、国権酒造の製造する全商品は特定名称酒であるということは、ざくっと言うと
    「より高付加価値な酒造りに集中するため、味ではなく価格で購入を決定する顧客を切り捨てる判断をどこかの時点でした」 ということを表しております。

    その2:滑らかな水で醸すから美味しい

    00263n-1800-rogo

    会津の水は全般的に軟水の傾向だが、特に奥会津の水は超軟水。カルシウムやマグネシウムなどが少ないため、硬水と比べて発酵が促され難く、発酵に時間はかかるものの、ゆっくりと進む発酵の中で、きめ細やかで繊細な「国権の酒質」に仕上がっていきます。

    南会津地方は国内でも有数の原生林が残っているエリア、ぶなの原生林や、尾瀬を代表とする湿原が点在する豊かな自然環境と、厳しい冬に降る多くの雪が、国権の酒造りに重要な「柔らかみのある水」を豊富に提供してくれています。

    その3:大ベテラン佐藤吉宏氏が心を込めて醸すから美味しい

    00263n-1800-rogo
    南部流杜氏、佐藤吉宏の手による大吟醸「國権」は全国新酒鑑評会において3年連続を含め過去二桁の金賞受賞。また福島県で開発された酵母を用いた純米大吟醸「一吉」は県新酒鑑評会純米酒の部において最高位である県知事賞を受賞。2013年には南部杜氏協会が実施する自醸清酒鑑評会で金賞を受賞、晴れて南部杜氏No1の栄冠に輝くという、素晴らしい経歴。今も「丁寧に正直な酒造り」を基本として、若い蔵人と一緒に酒造りに励んでいらっしゃいます。

    そんな「国権酒造」の商品はSAKEOH酒逢でご購入頂けます

    酒逢は東京の店舗と通販サイトがあります

    通販サイトでご購入可能です

    国権酒造の商品はこちらでチェックする事ができます。

    もちろん店舗でも!店舗では試飲も可能です

    東京都葛飾区金町にあるSAKEOH酒逢では、無料で試飲をすることができます。試飲をして選ぶので、万が一にもイマイチなお酒を買ってしまうようなことはありません。
    試飲イベントも頻繁に開催しております。ぜひ遊びに来て下さい。

    2015年5月29日(金)国権酒造 細井社長にいらして頂きます!

    という事で、「SAKEOH PREMIUM Vol.5 国権酒造」の開催は5月29日(土)の19:00〜です。詳細は告知記事をご参照下さい。日本酒通な方も、日本酒ビギナーの方も満足できる内容になっておりますので、皆様振るってのご参加をお待ちしております!

    それでは!