浦里酒造店ってこんな酒蔵
基本データ:
- 所在地 :茨城県つくば市吉沼982
- 創業 :1877年(明治10年)
- 生産量 :清酒800石/年(一升瓶換算約8万本)
- 代表銘柄:霧筑波
- 関連リンク:会社ホームページ、Facebookページ
茨城県つくば市吉沼
当店(SAKEOH酒逢)のある葛飾区金町からだと一時間ちょっと…しかかかってないハズなんですが…。蔵元ご自身が”筑波のチベット”と仰るほど、筑波山以外何もない素晴らしい大自然に囲まれています。
酒蔵外観
侠気溢れる五代目、浦里浩司蔵元
浦里酒造にお邪魔した時のツーショット写真。
そしてFacebook(個人)に載せていらっしゃるご尊顔がこちらw
これから記事中で、徹頭徹尾ホメ倒しますが、それは私が心から『霧筑波』銘柄と、蔵元の酒造り哲学が好きだからであって、決して訪問時に胸ぐら掴まれて脅された訳ではありませんので、誤解なきようお願いします。ヒトを見た目で判断してはいけません。
浦里酒造店を語る時に、「蔵元がどんな方か」の話をせざるを得ないないほど、存在感のかたまりのような方です。
しかしお話をすれば、いや、お話をせずとも『霧筑波』のお酒を飲めば分かるのですが、とっても繊細で、誠実で、優しい方です。造り手の人柄は、ホントに酒に如実に出るもんなんだなぁと思います。
霧筑波蔵元、かく語りき
蔵元に直接お話を伺いました。お酒への溢れる熱い思いに圧倒され、気がつけば3時間くらい語って頂きました。霧筑波を深く理解する為に、その中でも特に感銘を受けたフレーズをぜひご紹介したいので、下記列挙します。
今でも大好きなビッグスターが4人いる。矢沢永吉、高倉健、美空ひばり、渥美清だ。この4人は流行り廃りなんてものを超越した人たちで、俺は「大いなるマンネリ」って勝手に呼んでいる。酒造りもそうありたいと思ってる。
お寿司で例えると、トロ・ウニ・イクラは花形、だけどそればっかりじゃ寿司にならない。霧筑波は玄人が唸る「ヒラメの昆布締め」のようでありたい。
最近の流行りの(マシマシな感じの)ラーメンはあまり好きじゃない、にんにくも魚粉もあれもこれも…足し算で作った味は飽きてしまう。本当に美味しいのは透き通ったスープの、これ以上足すことも削ることもできないラーメン。そういうのは「また食べたくなる」。日本酒もおんなじだよね。
バブルの頃から、マネーゲームをやる金があったら(蔵の)投資にまわしてきた。今ではこれだけ冷蔵設備が揃っていて、同業者に羨ましがられたりもするけど、それは徐々にやってきた地道な投資の結果。若い頃(酒造りの師匠である)出羽桜の先代社長に「ベンツじゃ酒は冷えないぞ」って言われたんだ。
「日本酒があまり売れない」という話を聞くことが良くある。そりゃそうだよ、あんなにカプロン酸(リンゴの様な香りの成分)が全面に出てる甘い酒ばかり出回ってるんだから。一杯飲んだらもうお腹いっぱい。二杯目も自然と飲みたくなって、杯を重ねるのが日本酒のいいとこだと思うんだけどね。
言行一致してるのがスゴイ!
すごくないですか?この哲学。このブレない感じ。そしてちゃんと「霧筑波」ブランドを育て上げたという結果も出しているうえでの言葉の重み。私が日々感じている、日本酒の将来に対しての問題意識と、とてもしっくり来たこともあって、皆様にも紹介させて頂きました。
何がすごいって、何より『言行一致』なんです。商売やってれば、フラッと流行りを追っかけたくもなるのが人情です。でも霧筑波のお酒を、一杯でも飲んで貰えれば、上に列記した哲学がホントにそのままお酒になっているコトをご理解頂けると思います。
そんな蔵元が育てた上げた銘酒『霧筑波』のここがスゴイ!
「霧筑波」は、その生産量の9割が地元で消費される、まさに地酒。「霧筑波」のブランド名の由来は、商品ラベルに多用されるこの絵にあります。
霧筑波のラベルは芸術院会員の洋画家 服部正一郎先生(故人)の作品『霧筑波』を先生のご厚意により使わせて頂いております。 また、作品名も商標として大切に使わせて頂いております。
以下、霧筑波の何が素晴らしいかを説明します。
1:派手さは無いが、飲んだ人を魅了する高い酒質
思いっ切り主観ですが、ちょっと語らせて頂きます。
霧筑波には、2016年5月にG7茨城・つくば科学技術大臣会合で、晩餐会の乾杯酒に選ばれた、10号酵母発見者の名を関した「大吟醸三年古酒 知可良」を筆頭に、20を超える商品があり、一概に「霧筑波はこういうお酒」と言い切れる訳ではないのですが、
- 香りが軽やかで
- バランスが良く
- 飲みくちが優しい
- キレが良い
あたりが共通した特徴と言えると思います。
結果、食中酒として汎用性が高く、2杯目・3杯目、あともうちょっと…、と飲めてしまう危険な魅力があります。
ではその美味しさの秘密はと言いますと…
2:地元茨城の酵母、小川酵母(10号酵母)にこだわる
「霧筑波」ブランドの全ての商品は小川酵母(10号酵母)で醸しています。
酵母の特徴は以下、浦里酒造公式HPより引用
酸が少なく、低温でよく発酵しきめ細やかな香気を発するのが特徴。 淡麗で芳香のある吟醸酒向き。 また、低温性で アルコール耐性が弱く扱いが難しい酵母である。
小川 知可良氏が仙台国税局鑑定室長時代の昭和26年から27年にかけて東北6県の数百という蔵のもろみから集めた内の一つで、どこの蔵のものであったかは不明。 同庁退官後、水戸市にある明利酒類(株)に入社し、同社にて同酵母の分離培養に成功した。その為、『明利酵母』とも呼ばれている。東北生まれの茨城育ちの酵母である。 日本醸造協会でも昭和52年(1977年)から協会10号酵母として頒布を開始した。
蔵元の小川酵母への思いは非常に強く、小川酵母を普及させた小川 知可良氏の名前を頂き、「知可良 吟醸参年古酒」(霧筑波の最高級酒)という商品がある程。
3:醸造・貯蔵・流通…、設備投資は惜しまない
屋根に水を流し、蔵内の温度コントロール
下の写真、屋根の上に線の様なものがあるのが見えますでしょうか?ここからお水を流して蔵全体の温度をコントロールします。
この規模の酒蔵としては多すぎるほどの冷蔵設備
敷地内には所狭しと冷蔵庫及び冷蔵コンテナがあります。
写真の冷蔵庫・コンテナは積んでいるだけでなく、全て稼働中。それでも入り切らず、蔵の敷地外にも冷蔵倉庫を借りているとか…。冷蔵庫の中では美味しいお酒達がほんのちょっとづつ熟成をしながら、出荷されるのを今か今かと待っています。
自前の冷蔵車
内装は抗争相手を拉致する低温輸送のための特別仕様。近隣への物流でも低温物流に一切の妥協はありません。
「霧筑波」代表銘柄をご紹介
霧筑波 初搾り 無濾過本生うすにごり
超大人気、年末の風物詩
浦里酒造店の代表銘柄であり、茨城では凄まじい人気を誇るこの商品。
毎年12月末に発売されるのですが、地元の酒販店から『まだか?まだなのか?』と矢の催促を受けながら、12月だけで12,000本(!)搾るものの、それでもあっという間にはけてしまうというから驚き。
「1.0」を下回る酸度
この銘柄を初めて飲んだ時、あまりの飲みやすさにびっくりしたのを覚えています。
酒造りの教科書的には酸度が1.0を下回ると「亡酸」という状態とされ、好ましくない状態とされるため、今でも蔵人が「大丈夫ですか?」と聞いてくることもあるとか…。
「亡酸」、だから何?めちゃくちゃ美味いし、コスパ最強なんです
教科書に「亡酸」と書いてあろうがなかろうが、美味いモンは美味いんです。水の様な飲みくち、ほんのり綺麗な甘み、うすにごりのトロリ感。全てが絶妙なバランスでまとまっている逸品です。
しかも、脅威の2350円(税込み)/一升瓶 。これだけ美味しくてこの値段なら、そりゃ大人気にもなります。
もちろん『霧筑波 初搾り 無濾過本生うすにごり』だけじゃない。他にも個性的な商品が揃っております。
そんな「霧筑波」商品はSAKEOH酒逢でご購入頂けます
通販サイトでご購入可能です
もちろん店舗でも!店舗では試飲も可能です
東京都葛飾区金町にあるSAKEOH酒逢では、無料で試飲をすることができます。試飲をして選ぶので、万が一にもイマイチなお酒を買ってしまうようなことはありません。
試飲イベントも頻繁に開催しております。
ぜひ遊びに来て下さい。
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