試飲ができる、ゆっくり選べる、だから見つかる!
あなたにぴったりのお酒に出逢える、こだわりのお酒専門店「SAKEOH 酒逢(さけおう)」です。

先日、東京理科大のサークル『金町食文化研究会』のメンバーが来店した時の雑談から生まれた企画『二十歳の君に贈る日本酒講座』を6月9日(金)に開催することになりました。

初回は大学生限定なんですが、我ながら(裏方ですが)なかなか面白い企画だな…と思っているので、今後色んな形に発展させていきたいと思っています。

6月9日(金)開催、『二十歳の君に贈る日本酒講座』

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試飲会の概要:

  • イベント名 / 『二十歳の君に贈る日本酒講座』
  • 日時 / 2017年6月9日(金)
  • 時間 / 19:00〜21:00
  • 場所 /防災コミュニティスペース『EmeIma』@亀有
  • 電話 / 03-5876-6595(SAKEOH酒逢代表)
  • 銘柄 / 日本酒の基礎がわかる9銘柄
  • 講師 / 『繁桝』醸造元、高橋商店様より、講師をお招きします
  • 会費 / 2000円
  • 限定 / 20歳以上の大学生のみ
  • お申込み / こちらのページから登録をお願いします。

目的:社会人デビュー前の日本酒安全講習

今の大学生は、今後社会に出たら会社の先輩や上司から「日本酒好きなお客さん接待するから、飲み屋予約しといて」だとか、「ちょっと、刺し身に合う日本酒適当なの頼んどいてよ」などと無茶振りをされる事になります。

またグローバル化の波の中で外国人との交流はもはや珍しい事ではありません。急に外国人のお客様から「日本酒のコレとコレは何が違うんデスカ?」と真っ直ぐな目で質問された時に、まさか最高学府を卒業した人間が答られない訳にはいきません。

こうした現代社会で頻発する日本酒リスクに対し、適切に対応できる知識を習得する事は、グローバル化時代の即戦力エリート高度人材として必要不可欠であり、それに必要な最低限の知識を得ることが当講座の目的としております。

講座(座学)と実技(テイスティング)の講習

日本酒の分類(特定名称酒8分類+普通酒)、『辛口とは』、『アル添とは』といった基本的な知識を、ゲスト講師から学び、テイスティングしながらそれぞれの特徴を体験して知ってもらいます。

修了試験(テスト)と成績上位者表彰

講習後に理解度を試すペーパーテストを行います。成績上位者9名は特典として、『半分は残っているであろう試飲の日本酒(一升瓶)』を持って帰って頂けます。

大学生じゃない人は…ちょっとだけお待ち下さいm(_ _)m

大変申し訳ありませんが、今回は『大学生限定』とさせて頂きますので、一般のお客様はご参加頂けません。
たくさんの当店常連のお客様より、『私も参加したい!』というご要望を頂いております。近いうちに『一般向け日本酒講座』も必ず開催しますので、それまで少々お待ち下さい。

さて、告知の概要はこんなところで、以下このイベントにかける酒屋の想いを、ちょっとだけ真面目に語っていきたいと思います。

若いうちから、日本酒と気軽に・楽しく・長く付き合って欲しい!

これがこのイベントにかける想いです。
酒屋目線でいうと、『日本酒を、生活に根付き、世代を越えて伝承する文化としたい』と思っており、そのために微力ながら貢献できれば…と考えています。

『え、でも日本酒って『國酒』でしょ?歴史もあるし、伝承されてるんじゃないの?』と思われた方もいるかもしれませんが…

親から子へ、『飲み手』の文化は継承されず

もちろん造り手側(酒蔵)だったり、提供する側(酒屋・飲食店)に関しては、当然伝統は継承されているのですが、残念ながら飲み手側(消費者)の文化は継承されているとは言えない…と思います。   私の感覚ですが『親父に日本酒の選び方・飲み方を教わった』という方はかなり少ないんじゃないでしょうか?そこらへんは多分に、戦中・戦後の日本の酒業界、特に日本酒業界が辿ったあまり幸福とは言えない歴史も影響してると思います。


以前、『【普通酒】というカテゴリ名はどうなんだ…?』という問題提起をしたエントリに歴史的な経緯をまとめてありますので、御興味のある方はチェックしてみて下さい。
関連リンク:「普通酒」について:「カサ増し廉価版日本酒もどき」が「普通」という羊頭狗肉の大問題



実際問題、日本酒を知る敷居は高い

特に私がお酒を飲み始めたあたりは、まだ

  • 日本酒はツンと臭い
  • 日本酒は翌日残る
  • 日本酒はおっさんが飲むもの

などという、マイナスイメージがありました。

昨今の日本酒ブーム以降、そのマイナスイメージが相当程度払拭された今ですら、ほとんどの人が『美味しい日本酒の選び方』『お料理との合わせ方』に関して、ほとんど情報がない状態。

その状態からスタートして…

  • 幸運にも、どこかで美味しい日本酒と運命の出会いをして…
  • 以降、居酒屋での注文や、量販店の棚からの購買で、何回かハズレを引いたとしてもめげず…
  • グルメ雑誌やWEBで情報を集めるほど熱意と主体性を持ち続け…
  • ビールやハイボールより、ちょっと割高な価格にも関わらずトライし続けてくれて…
  • おつまみ、お料理との相性も、独学で経験を積んでくれて…
  • 飲み続けて身体に良いわけでも、美容に良いわけでもないけど…

でも、それでも日本酒が好き

まるでDV彼氏から離れられないMっ気たっぷりの女性のような献身性ですが、当店にいらっしゃる日本酒好きの方は結構このぐらいの熱心さを持たれている方多いです。逆にいうと「日本酒への献身的な愛」が無い方は途中脱落。

私の友人(かなり酒好き)にも「日本酒は美味しいのも知ってるけどさ、色んなタイプがありすぎるし難しいからな…。お前(酒逢店主)と飲む時は選んでもらうけど、自分で冒険して選ぼうとはしないよな。無難にビールやハイボールでいいよ別に」というスタンスの方、かなり多いです。

Q:なぜ敷居が高い? → A:だって誰も教えないから

飲み方を提案する酒屋は少ない

1000円で40種類近くを飲み比べできる試飲会を企画したり、また常連さんの晩御飯自己申告に合わせて試飲を提供する当店のような良心的な酒屋は極少数(自画自賛)。

結構こだわってる地酒屋さんでも、『俺の店は有名な良い酒揃えてんだから、自分のリスクで買ってけよ』的な対応で、レジにバイトさんがいてお会計するだけってトコ、多いですよね。

つまみに絶対に合わない日本酒を頼んでも、「こっちの方がいいよ」と止める居酒屋さんも少ない

まぁ、飲食店さんの場合、お酒だけを提供してる訳ではなく、お料理も、お会計も、片付けもあってそんな事やってられないというのが本音だと思います。ただ、回転の早い(売れ行きの良い)フルーティなお酒ばかりを揃えていて、そのお店のイチ押しのお料理と合うのがない…というトコも少なからずあったりしますよね。

でも流通してる商品名は、なぜか『知ってる前提』

居酒屋のメニューや酒屋のプライスタグには、さも当然のように…

  • 特別純米 無濾過生酒 600円/グラス
  • 純米吟醸 あらばしり 720ml:1500円

って書いてありますよね。

例えば意中の女性を連れての居酒屋、女性は「私日本酒好きなの、フルーティーなやつがいいな♥」と仰る。万が一にもオーダーをミスれない状況でこんな「知らない文字列」だけを提示されても、なかなか辛いものがあります。

大多数の飲み手側の『圧倒的情報不足』と『自己防衛』の結果…

とりあえず『辛口』『純米』『フルーティ』そして『獺祭』

  • 「辛口の酒ちょうだい」

  • 「俺は純米しか飲まないって決めてるから」

  • 「お刺身と合うフルーティなヤツ、ありますか?」

  • 「◯◯(入手困難な人気銘柄)はある?え、ないの?じゃぁいいや」

これらは「酒屋あるある」と言ってもいいと思うんですが、非常によく聞くお客様からの要望です。

別にそれが駄目じゃないんです、全然駄目じゃない。 でも『◯◯でいいの!俺は◯◯しか飲まないし、他は知りたくも無いの!』という頑なさは、美味しい日本酒との出逢いを少なくしてしまう…。

また、「◯◯が良い酒」=「それ以外は駄目な酒」というニュアンスが広まってしまうのも、酒屋としては悲しいな…と思います。

事故らない基本動作さえ知れば、日本酒はもっと自由で、もっと楽しい!

昨今日本酒醸造の技術レベルが飛躍的に上がっていて、実に幅広いバリエーションから美味しい酒を選べるのに、『もったいないなぁっ』としみじみ思うわけです。酒屋としても、いち日本酒ファンとしても。

では誰がその『基本動作』とやらを伝えるのか?と考えた時に、「もしかして、オレ(酒屋)がやるべきなのか?」と思い至ったのが今回の企画、という訳なのです。

『日本酒面白い!そんな難しくないじゃん』と思って欲しい

という事で、頑張って参ります。また、今回のイベントで得た知見や反省点を踏まえて、一般の方や、もう既に日本酒好きの方も楽しめるイベントに展開していきたいと思います。

イベントの様子は別途、ブログにまとめてご報告しますので、御興味ある方は当店のSNS(FacebookTwitterInstagram)をフォロー頂ければと思います。

それでは!